レキオ「連載エッセー!」

レキオ「連載エッセー!」

7/24 琉球新報副読誌 「週間 レキオ」 No.1217 連載エッセー P6
「親育て・子育てー対応はレベルに応じ工夫ー」
連載⑥が掲載されました。

「引いてダメなら押してみよう!」 
小学校1年生になった二女は、最近ピアノを習い始めました。元々集中力があり、歌うことなど音楽にもとても興味を持っていたので、どうやら順調に上達しているようです。逆に自分の弾き方に対するこだわりも強く、少し言葉の掛け方を間違えるとバタンとドアを閉めてコミュニケーションを閉ざしてしまいます。コーチングの仕事をしながらも子育ての難しさを実感する時です。
では、このようなケースで親は一体どのような接し方をすればいいのでしょうか?  最近は「コーチングは人の可能性を引き出すものであり、答えはその人の中にある!」という言葉が 独り歩きしている傾向がありますが、子供たちを相手にする場合、どうしてもティーチング(教えること)も必要になってきます。問題はどんなタイプの子には教えた方がいいのか、どのタイミングで教えた方がいいのか、ということです。そこを間違るとせっかく能力もあって、ヤル気も十分な子供たちの可能性を奪ってしまうことにもなりかねません。
 実はこの「引き出す」と「教える」の配分が重要なポイントで、子供たちが取り組んでいる目標や 知識や動機づけのレベルによって、その割合は変わります。 コーチ(親、教師)は子供たちが自由に話ができるように問いかけをすることで「可能性を引き出す」ことが重要であるのと同様に、相手に必要なアイディアを提案したり、必要な知識を教えたりする、という「提供する」ことも必要です例えば、・意欲が高く知識、技術も十分持っている子供には、とにかくコーチングでどんどん引き出していくのがいいでしょう。会話の中で次のステップ、可能性、アイディアを探るなど・・・。
・頭はいいけどやる気がない子供には、コーチングで様子を見ながら、
 動機となること、チャレンジしたいことを聞いたりします。
 ・意欲はるけど知識、技術が足りない子には、ティーチングでまず方向性を指示してあげてその後自分で走らせる。ゴールのパターンについて教えてあげる。
 ・意欲が低く知識、技術もほとんどない子には初めはコーチングで動機となることを一緒に考えてあげる。その後、ティーチングで具体的な方向性や行動を示してあげるといいと思います。
ところで、先ほどのうちの二女は次の日も一生懸命ピアノを弾いています。
「先生は最後のところをもう少し強く弾いてたよね?」「・・・黙って弾き続ける」「あっ、今は強くなったのがわかった、ママにも聞いてもらったら?」
「ママーッ!出来た、聴いてよぉー」ここで言う新しいゴールとは先生だけでなく、母親にも聴いてもらうということです。
子供はいつの時代も親を成長させてくれる最高の教師です!